頭脳明晰、知識豊富よりも人間性が高いことがコンサルタントには不可欠

コンサルノウハウ

コンサルタントというと頭脳明晰で豊富な知識、経験を持っていることが必要とイメージされるかもしれません。
もちろん頭脳明晰であるほうがそうでないよりよいでしょうし、知識、経験が少ないより多いほうがよいでしょう。

ただ、頭脳明晰であることや知識、経験が豊富であること以上に大切なことがあります。

それは、コンサルタント自身の人間性や人間的な価値基準(信頼、敬意、正直さ、高潔さ、礼儀、気取らぬ態度)ということです。
ここではコンサルタントにおいて人間性や人間的な価値基準がなぜ大切なのかご説明します。

コンサルティングは人が相手

コンサルティングというとその専門性や難易度としてどうしてもスキルやコンサルティングの方法などに目がいきがちです。
そのためコンサルティングというと頭がよくないといけない、知識、理論、経験が大切だと思う人が多いわけです。
もちろん頭がよいこと、知識、理論、経験はあるに越したことはありません。
しかし、そもそもコンサルティングといってもそれは商売やビジネスの1つに過ぎません。
どんな商売やビジネスであってもそもそも人と人とのやり取りが基本になります。
このことを忘れてしまう、意識できていないと商売、ビジネスにおいて良い結果を出すことはできません。
コンサルティングという商売、ビジネスであってももちろんそうです。
商売、ビジネスにおいて、最も大切なことは相手の人(コンサルティングでいえばクライアントの社長)が貴方の存在、サービスなどに満足をしてくれているかどうかということです。

商売、ビジネスにおける満足は何で決まるのか?

それでは、商売、ビジネスにおける満足は何で決まるのでしょうか?

コンサルティングにおいては知識、理論、経験はもちろん必要でしょうが、果たしてそれだけでしょうか?

たとえば、

・料理は抜群においしいのですが、接客態度が悪いレストランがあったらどう思いますか?

・腕はめちゃめちゃ良いのですが患者さんの疑問や不安に対して寄り添ってくれない医者に対してどのように思うでしょうか?

人によってもちろん感じ方はタイミングによっても変わると思いますが、レストランであれば料理が全て、医者であれば腕が全てかと言えばお客様の満足という意味では違うということがわかっていただけると思います。

コンサルティングについても全く同様です。
いつも正しいことを指摘してくれるコンサルタントなんだけど、上からものを言われている感じがするとか、偉そうともし思われたらどうでしょうか?

社長自身、答えは自分でもわかっていて、ただ話を聞いてほしいだけなのに話を聞いてくれずコンサルタントに結論だけただ言われたらどうでしょうか? 

お客様(人)の満足は論理と感情で決まる

お客様(人)の満足というのは、論理と感情で決まっています。

論理というのは言っていることが正しい、合っているということです。
コンサルティングでいえば、コンサルティング自体の内容がとても良い、優れているということです。

料理で言えば料理がおいしいということです。
コンサルティングにおける論理というのは頭脳明晰で知識や経験が豊富であることにあたります。

感情というのは、その存在やコミュニケーションにおいて相手の人がどう思うかということです。
先の例でいえば患者の不安に寄り添ってとことん不安や疑問がなくなるまで話を聞いてくれる医者や、言っていることも正しいんだけど、自分の状況をしっかりと理解をして最後まで話を丁寧に聞いてくれて、目線を合わせてアドバイスをしてくれるコンサルタントが良いケースなわけです。

お客様が感情としてどのように思うかの要因が人間性や人間的な価値基準だと思ってください。

論理が正しくても感情的に納得できなかったり、感情的に嫌だと思った人の話は聞いてもらうことができないのです。

コンサルティングの目的実現のために感情理解は不可欠

コンサルティングに限らず商売、ビジネスにおいては、この論理と感情をしっかりと理解をしておかないといけませんが、特にコンサルティングというのはクライアントに対して様々なアドバイスをすることになります。
コンサルティングの目的が正しいアドバイスをすることであれば論理だけでよいのでしょうが、コンサルティングの目的はクライアントの数字変化を起こすことです。
クライアントの数字変化を起こすためには、クライアントがコンサルタントのアドバイスを信じて、実行することが欠かせません。
コンサルタントの目線で言えば、クライアントから信頼をされて、アドバイスを踏まえて実際に動いていただく必要があるわけです。
クライアントの信頼や実際に動くことを実現しようと思うと感情が欠かせないわけです。
ただ正しいことを言われても人は簡単にそうですねと言って動けるわけではありません。
しかもそのテーマが会社経営で、その中でもとても重要な部分であればあるほど信頼が欠かせません。(重要なテーマでなければそれほど難しくはないでしょうが、コンサルタントとして経営者のアドバイザーになることをゴールとした場合にはとても難しいテーマにぶかっていくことになります。)

「●●さんが言うなら間違いないので、やってみよう」と思われるコンサルタントなのかどうかということが極めて大切になるわけです。●●さんが言うならということは論理と感情の両方でできています。
この論理と感情の塩梅の理解がとても大切です。

社長は孤独だということ

コンサルタントにとってもう1つ特に意識しておくべきこととして、社長は基本的に孤独だということです。
孤独の意味合いとしては社長の役割からして社長には社員にはない大きな責任、プレッシャー、ストレスがあるということです。
社員に対して全てを伝えていて社員も会社のために頑張ろうと思ってくれている良い会社があったとしても、やはり社長の役割からくる特有の責任、プレッシャー、ストレスというものがあり、このことによって社員には要求できなず、自分がとにかく何とかしなければということで孤独な感覚を持つことがあります。
社長は簡単に弱音をはくことはできませんし、状況が悪くとも自分が諦めてしまったら全てが簡単に、そこで終わってしまいます。
社長はとにかく戦い続けなければならず、途中で簡単にやめることなどなかなかできないわけです。
このような状況にあってやはり社員には言えないこともたくさんあったりするのです。

コンサルタントは社長のこのような状況を理解をしておく必要があります。
社長の元気がなければ社長はよい意思決定をできません。
そのため社長が元気かどうかを気にしたり、勇気づけたり、励ますということ、会社経営には良いときも悪いときも必ずありますので、どんなときでも変わらず会社の目的達成のためをベースにしつつ、社長を支える存在であるということが大切なのです。
社員には言えないことでも信頼のあるコンサルタントには言える、むしろコンサルタントの目線で言えば、このような状況をつくれているかが社長からの評価だと思ったほうがいいでしょう。
このような意味においても感情を決める、人間性、人間的な価値基準ということがコンサルタントにおいてはとても重要なのです。

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