コンサルタントがクライアントとの定例ミーティングで話すべきこと

コンサルノウハウ

コンサルティング契約の内容に関して、クライアントとの関係は様々なパターンがありますが、契約当初はクライアント先の現状把握などを一刻も早く済ませたかったりするので、長い時間や頻度よくミーティングをさせていただくことが多くあります。
その後、目指す目標を立ててからは、定例ミーティング、月次のミーティングをベースにしつつ、日々メッセージでやりとりしたり、必要に応じてミーティングをタイミングタイミングで追加してということでサポートさせていただくことがよくあるコンサルティング契約です。


ここではクライアントとの定例ミーティング、月次ミーティングでどのような話をしているのか、何に気を付けているのかをご説明します。

コンサルティングをビジネスとして考えた際には、再現性、生産性などの観点からコンサルティングの商品自体を基本的にかっちりと決めることが重要になっていきます。
もちろん、常にクライアントに応じて相対で内容を決めていますというやり方でもよいのですが、そうであっても成果を出すためのプロセス(コンサルティングの内容、やり方)は共通になってくることがかなりあります。
このプロセス自体は再現性の観点からもパターンになっていくべきだと思っています。
このパターンの中で最も重要なものとして定例ミーティングがあると思います。

ここでは定例ミーティングを月次ミーティングとしますが(月次のミーティングの頻度が多い少ないなどは置いておいて)、クライアントとの定例ミーティングにおいて、弊社の場合、何を話していて、何に気を付けているのかをご紹介できたらと思っています。

定例ミーティングのアジェンダ

まず弊社の場合には、大きく共通することとして定例ミーティングのアジェンダとして下記は最低限確認をしています。

・社長の様子をアイスブレイクで確認
・この1か月のサマリー(定性、定量)
・前回ミーティングでの宿題などあれば進捗確認&フィードバックなど
・1か月の中での気づきや何か課題、問題、質問あれば
・中期計画、年間計画からの進捗などの確認
・次回ミーティングまでの宿題確認

です。
1つずつご紹介します。

社長の様子をアイスブレイクで確認

まず最初にやっていることですが、どんなに付き合いの長い社長であっても同じようにアイスブレイクをまずやっています。
アイスブレイクとして1か月どうだったか?など仕事に限らず様々なことを聞いています。

このアイスブレイクでここで気にしていることは社長が元気かそうでないかを確認するということです。

弊社がとても重視していることとして、社長が元気かどうかということがあります。
中小企業の場合には社長の元気さは会社の動き、成長、業績において最も重要な要素ですので、社長が元気がないという状況はとてもよくないためです。

また、多くの社長は自分が元気がなくともそれを誰かに相談したりはなかなかできず、1人で抱えていることもありますので、コンサルタントは社長からしたときに数少ない本音を話せる相手になれるかがとても大切になります。
そのためには、いつも社長のことを気遣うということが欠かせません。
何気ない会話の中から社長が元気かどうかをキャッチすることを意識するととても良いと思います。

この1か月のサマリー(定性、定量)

アイスブレイクを終えたら徐々にビジネスの話に移っていきます。
最初に確認をしていることは、前回ミーティングからの1か月間のサマリーを聞いています。
具体的にこれはどうでしたか?という聞き方はあまりせず、あえて、1か月の状況を教えてくださいというざっくりした聞き方をしています。
ざっくり聞くことがで社長からすると頭の中にあるテーマなどで重要なものから話をしてくれます。
話を聞いていて詳しく聞きたいなということがあっても、まずは社長に一通りのサマリーを話していただくようにしています。
1か月を社長にも振り返ってもらっているわけです。
中身としては定量的なものから、定性的なものまで様々確認をしています。

サマリーを聞いたあとで気になる点などを確認

サマリーを聞くと良かったこと、悪かったことが出てきます。
良いことであれば褒めたり、一緒に共感することもとても大切です。
悪いことは重要度に応じて別で話すべきアジェンダとするか、様子見で良いかなど判断をして扱いを決めます。

社長からサマリーを聞いたあとで気になる点について質問をしたり確認をするようにしています。
重要な問題などがあった場合にはこのタイミングで深掘りして話をしていくこともあります。
また、サマリーの中で会社の状況の良し悪しを数字で確認できるように、共通認識つくっておくことや目標を共有している状態がコンサルティングには必要ですので、決まっている数字(KGI、KPIなど)を出していただいて(事前にデータをもらっていることもあります)状況を定量的にも確認をしていきます。

前回ミーティングでの宿題などあれば進捗確認&フィードバックなど

サマリーを聞いた後で、前回ミーティングで何かクライアントサイドにやっておいてくださいということがあればその進捗を報告していただきます。
進捗報告を聞いたりする中で社長から質問などが出てきたり、コメントしたいことが出てくるので、宿題について話をします。

1か月の中での気づきや何か課題、問題、質問あれば

こちらはサマリーの話と重なることもありますが、1か月の動きの中で生まれた新しい問題、課題、お困りごとなどになります。
このあたりを社長から聞きます。

中期計画、年間計画からの進捗などの確認

これは意図的に毎回確認するようにしています。
中小企業の場合には、社長は社長業に専念できるだけの組織、仕組みを構築できていないことのほうが多いため、日常を過ごしているとどうしても視野が狭くなったり、短期目線となってしまうことがあります。
会社がそもそも何を目指しているのか、中期計画、年間計画の中で目指している目標に対して、今どこまで進んでいるのか、進みが良いのか悪いのかを確認します。

常に上位の目的、目標をの意識づけ、このことによって目線が下がってはいけないこと、あるべき姿をイメージしなおしていただき社長業ができるように変わっていただくわけです。
コンサルタントは常に会社の成長を考えながら、社長に対して寄り添いつつ、ただ社長に対して社長のあるべき姿を理解してもらえるようにするべきです。

次回ミーティングまでの宿題確認

ミーティングを経て、次回ミーティングまでにやるべきことなどを明確にし、誰が何をやるのかなどを確認します。
コンサルタントは気づきやノウハウを伝え、クライアントが気づきを得て、意識・行動が変わって、成果が変わることを実現することが役割です。
クライアントによい変化を起こすためには必ず行動を変える必要があるため、ただ話をして終わりではなく問題、課題などに対して具体的にどうするのかまで決め切るということがとても大切です。

定例ミーティングの内容は議事録にしてお送りする

定例ミーティングで話した内容は議事録にしておくことが当たり前に望ましいです。
話した内容をしっかりと残しておくことはクライアントに関わることができる時間が極めて限定されているコンサルティング業においてはとても大切です。
これはコンサルタントにとってもクライアントにとってもどちらにも役に立ちます。

クライアント数が多くなってくると定例ミーティングで話したことは時間が経つと確実に忘れていってしまい、コンサルタントが忘れてしまうとクライアントも忘れてしまうことが多く、定例ミーティングの効果、成果が激減してしまいます。
コンサルタントはクライアント先の成長をファシリテーションする存在でもありますので、しっかりと状況などは形にしておくことが欠かせません。
クライアントの社長は基本的に忘れっぽかったりしますし、メモを取っていないことも多々ありますので、議事録はとても効果的です。
定例ミーティングの翌日に送るなどでなく当日中に、ミーティングを終えてすぐに議事録をまとめて共有することを徹底しましょう。

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