専門特化のコンサルタントでは成果を出しにくい話

コンサルノウハウ

コンサルタントとして成果を出そうと思えば思うほど、コンサルタントとして「会社経営」、「経営者」の理解という総合性が必須になってきます。


弊社が11年間で1,200社を超える中小企業のコンサルティングをさせていただけているのは、間違いなくまず総合性ということを押さえつつ、その後に自社の得意分野である専門性を強化していき、専門性の強化によってクライアント数が増えて、クライアントとのやり取りの中でもちろん専門性だけでなく総合性を意識してコンサルティングをしているため、総合性もより一層強化されてきたことが理由だと思っています。


総合性なくして専門性のみでコンサルティングをやっていたら、これだけの中小企業の経営者に選んでいただくことはできなかったと思います。


ここではコンサルタントにおける総合性と専門性についてご説明します。

専門性だけのコンサルタントはなぜ成果を出しにくいのか

結論としてコンサルティングにおいて専門性は不可欠だと思っています。
しかし、全体最適がわらからない専門性というのは会社経営、経営者にとっては役に立たないということです。
部分最適を経営者は考えているわけではないということです。


経営者というのはあらゆることを意識し、バランスを取ったり、限られた時間、予算、人員など様々な限定された条件下で、様々ある選択肢の中でどれをいつのタイミングで実行するかなど、会社にとって総合的にみて最も良い意思決定を迫られているのです。


専門性というのは、会社経営における一部分の機能の専門性のことを言っています。


たとえば、営業コンサルティング、採用コンサルティング、人事評価コンサルティング、マーケティングコンサルティング、PRコンサルティング、ウェブコンサルティング、財務コンサルティングと様々なコンサルティングがあるわけです。


これらの専門性はもちろん会社経営にとって、とても重要な機能になってきますが、会社経営、経営者が考えていることはこの専門性=会社経営の一部分の機能を最適にすることではないということです。


常にどうやったら会社が抱えている問題、課題が解決するのか?という総合的な観点から部分である専門性のことを見ているのが経営者だということです。


コンサルタントはこの経営者の目線=総合的に見て経営者が気にすることや会社の構造などを理解して、なぜ貴方の会社にとって自分のコンサルティングが効果的なのかということを説明できないといけないわけです。

部分最適のコンサルタントは作業者になってしまう

専門性しかないコンサルタントの場合には、総合的な観点から経営者が何を気にしているのか、全体に対して自分の持っている専門性がなぜ必要でどういう効果を出せるのかを話すことができません。
総合的な観点から話ができないコンサルタントというのは経営者からしたらすぐにわかります。
一部分の最適化しかできないコンサルタントだと思われてしまうと、経営のアドバイザーというポジションにはもちろん入れません。
一部分の専門家というのは、その部分の最適化が終わったり、その一部分の重要性がクライアントの中でなくなっていくと契約が終了します。
そのためコンサルティング契約が長期化することがなかなかなく、一部分の作業をやってもらうという形となり、作業者的な依頼となることもしばしばあります。


作業の代行がもちろん悪いわけではありませんが、作業の代行というのは極めて労働集約であり1人のコンサルタントができる作業量はすぐに限界が来てしまうのと、1社の作業が終わると契約が終わってしまうことになる場合が多いので、また新規のクライアントを探すということでビジネスモデルとしてとても弱い状況になってしまうことがよくあるわけです。

最低限の総合性をまずは身につけるべき

コンサルタントとして成果を出すためには専門性だけでは難しいという話をしてきました。
コンサルタントとして最も重要になってくる「成果を出す」という観点や、コンサルティングというビジネスモデル的な観点においても総合性なくしてはうまくできません。


それでは、総合性はどのようにすれば身についていくのでしょうか。
また総合性というのはどのようなことなのでしょうか。

総合性の正体は会社、経営者の構造を知ること

総合性というのは、「会社」「経営者」の構造を知ることに尽きます。
会社、経営者の構造というのは、それぞれにおいて間違いなく共通で起こる問題、課題、気にしないといけないことがあるということです。


これは業種、地域などは一切関係なく、会社創業し成長していく過程の中で共通で抱える問題、課題、悩みが必ずあります。


たとえば、


全ての会社に共通をして会社というのは売上=お客様がいないと成り立ちませんので、売上を気にしないといけませんが、売上は商品、サービスがお金に変わった結果で、商品、サービスをつくったりするために仕入れが必要だったり、運転資金が必要でお金のことをうまくやりくりしないといけません。


また、1人でも人を雇ったときから人に関する問題、課題、悩みを持つことになっていきます。


このように会社、経営者というのは業種、地域などは違えど本質的に突き詰めていくとやっていることは共通で同じ構造にあるのです。
構造として同じ部分に対して会社の進み具合によって直面している問題、課題が異なるだけで、ただどの会社も共通で問題、課題に直面していくということなわけです。

総合性を身につける方法

総合性を身につける方法として3つあると思っています。


・1つ目は、創業のタイミングから関わらせていただくクライアントを獲得し、そのクライアントの中で起こる様々な問題、課題を体感し、社長と一緒に悩み、解決していくことです。
これは創業期に関わらずでも、もちろんよいですが、創業期の会社の状況を分かっているコンサルタントはどの経営者に会ってもとても信頼されます。
それは今はうまくいっている会社であっても創業期は本当に大変な思いをしているからです。
コンサルタントとして創業期の苦しみを知っているということはとても大きな強みになります。


・2つ目は、コンサルタント自身の事業や会社をしっかりと成長させていくことで世の中の中小企業の経営者と同じ経験をしていくということです。
自分も実際にやっているということに勝ることはありません。
コンサルタントとして独立しているのであれば一事業を経営しているわけです。
弊社はコンサルタントほど自らやっていること(ただ机上の空論を唱えるのではなく)がとても大切だと思ってきました。
そのため自社で様々試してみてうまくいったことを基本的なコンサルティングのノウハウとしてクライアントに伝えることを大切にしています。
コンサルタントほど自らを実験台にして、成功、失敗の経験を実際にしていくことが大切だと思っています。


・3つ目は、総合性を理解して体系的、論理的にコンサルティングをやっていて、成果を出している会社、人に教えてもらうということです。
上の1,2と並行しながら、既に素晴らしいコンサルティングノウハウなどを確立している会社、個人のコンサルタントがいれば教えてもらえるように考えて動くことがとても大切だと思っています。
確実に素晴らしいコンサルタントになるための時間を大きく短縮できます。


1~3の方法というのはどれか1つやればいいという話ではなく並行して3つやることが最も早く総合性を身につけることができますし、コンサルタントとしての力をも向上させることができます。

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