開業したての士業の仕事は何か
士業事務所を開業しようという人は、難関試験をクリアして晴れて「士業となる資格」を得たのです。
「よし、これから士業として立派に仕事をしていこう」
開業までの経緯や想いは人それぞれであっても、そう思うのが当然です。
では、独立開業したばかりの士業にとって一番大事な仕事はいったい何でしょうか?
この質問には、非常識な成功を収める方法の核となる、本質的な考え方が隠されています。
士業=法律家?
士業の仕事について、たとえば行政書士でいえば、行政書士法の第一章[総則]の中に規定されていますが、ここではそんな法律的な意味合いではなく、あなたがどうとらえているかを考えてください。
行政書士の具体的な仕事として、一般に多くの人がパッと思い浮かべるのは、「許認可の取得」や「書類作成」といったところでしょうか。
また、行政書士を管理している行政書士会は、行政書士を「街の身近な法律家」と位置づけています。
テレビドラマなどでも行政書士は「法律家」として登場するのが常です。
弁護士や税理士の独占業務など、法律で限定・禁止されているものを除いても、行政書士の扱う法律の仕事は多岐に及びます。
「法律家」「先生」という言葉に騙されるな
確かに行政書士は、多くの法律を体得し、困っている人の問題を法律的に解決します。
間違いなく「法律家」です。
そして、多くの人から「先生」と呼ばれることになります。
そのため、常識的な独立開業者の多くは、開業してすぐにでも立派な「法律家」、「先生」になろうとします。
それは、ものすごく常識的で正しい指針のように思えます。
そこで、試験合格後も法律の勉強を一層頑張って、いろいろな法律に詳しくなったとします。
法律家になったわけですから、そうやって学んだことは仕事の役に立ち、成功につながりそうです。
でも、あなたは独立開業をするんでしたよね?
一生懸命勉強した法律の知識は、いったい誰にお話しするんでしょうか?
会社の従業員として法務などを担当しているのであれば、黙っていても他の部署の従業員が契約書や届出書を持って相談に来たりと、仕事を回してくれるかもしれません。
でも、独立開業するあなたが黙々と勉強していても、何かが起こるわけはありません。
世の中には法律の問題で困っている人はたくさんいると思います。
しかし、その困っている人は、どうやってあなたの存在を知って相談に来ればいいのでしょうか?
開業したての士業は、「法律家の先生」と人からは呼ばれたとしても、自分から進んでそうなってはいけないのです。
自分が何者かという認識だけは絶対に間違ってはいけません。
「法律家」である前に「起業家」
僕は独立開業した当初に、唯一これだけは一生懸命やろうと決めたことがあります。
ここが一般的な士業と、非常識と言われた僕との決定的な違いだと思います。
そう、「集客」です。
「集客」が先で、お客様を得てはじめて、法律の知識を使えるようになるのです。
あなたは、法律を勉強する前に「集客」について勉強しなくてはいけません。
「集客」は経営において「一番に」と言ってもよいほど、重要なものです。
すべての事業の根幹に「集客」があるのです。
士業に限らず、あなたと同じように独立開業し、事業を立ち上げた人はみんな、ゼロから集客のしくみを作ります。
世の中では、このような人を「起業家」と呼びます。
あなたは「法律家」である前に「起業家」なんです。
「自分は起業家である」という認識を持たないと「非常識な成功」を得ることはまずありません。