ブランドはどのようにしてできるのか?
業界1位というような表面的な要素も大切です。
ナンバーワンということが、そのままブランドにもなり得ます。
そもそも、ブランドというのは、いろんなことを知っていて、熟知していて、認知度が高いとか、さまざまな要素が複合的にからみあって構成されているものだと思います。
そのきっかけとなるものは、やはり数(量)ではないでしょうか。
プロ野球選手であるイチローは誰よりもバットを振っているからヒットを打てます。
練習量が1番多いことも活躍できる大きな理由だと思います。
それが前提です。
ビジネスも同じで、お客様との関わりが多ければ、そこから学ぶことができます。
同じ業務をして、同じポジションにいても、知っていることがまったく異なってきます。
より精度の高い専門家になれるのです。
お客様にとって、よりバリューのある提案ができるようになり、それがブランドとして認知されます。
ブランドとは、数によってはじまり、蓄積によって構築されるものだと思います。
結局は、目の前のお客様1人に対して、どのような対応をするかがカギをにぎります。
そこがすべてのスタートです。
考えないといけないのは、ライフタイムバリューの発想をもって、今の利益だけを追求しないこと。
そして、お客様に価値を提供し続ければ、結果的にお客様が増え、サービスの質が高まり、ブランドになります。
その後であれば、無理なく単価を上げることもできるのです。
起業家は、やはりリソースが少ないため、欲張らず、お客様を敬ってそのお客様を一番喜ばす商品・サービスを命がけでつくるべきです。
シェア=お客様の数が多いということの意義
ある大手ビール会社では、業界におけるシェアに、過剰なぐらいこだわっています。
その理由はどこにあるのか。
実は、業界1位か2位かによって、選ばれる力が大きく異なるそうなのです。
考えてみてください。
もしあなたがビールを購入するとして、業界1位のものと、そうでないものの、どちらを選ぶでしょうか。
やはり、多くの人が業界1位のビールを選ぶと思います。
ただし、内情としては、それほど大きな差はないそうです。
拮抗しているそうなのです。
しかし現実には、1位と2位には、イメージ上、大きな差がある。
人はその裏側まで考えません。
だからこそ、お客様がどこを基準にして選んでいるのかを知り、その点を伸ばすことが大切なのです。
やはり、「国内シェアナンバーワン」という肩書は、大きなインパクトがありますから。
どの業界でも、どの分野でもそうですが、ナンバーワンという実績は財産になるのです。
弱者の攻め方としての「ランチェスター戦略」
ニッチ市場で勝負する際に、意識しておきたいのは「ランチェスター戦略」です。
ランチェスター戦略とは、以下の2つの原則からなる戦略のことです。
第一法則 戦闘力=武器効率×兵力数(1vs1で戦う状態)
第二法則 戦闘力=武器効率×兵力数の2乗(複数vs複数で戦う状態)
もともと戦場で活用されていた法則のため、用語が戦闘力となっていますが、これを「営業力」に変更すれば、そのままビジネスにも応用できます。
ランチェスター戦略の法則から導かれるのは、起業したての体力がない企業には、1vs1の一騎打ちの状態で戦うことが必要になるということです。
正面から勝負を挑んでも、勝ち目はありません。
そこで、奇襲をしかけ、一騎打ちに持ち込むことが求められます。
ビジネスにおける奇襲とは、ニッチ市場に攻め込むことです。
すでに存在している企業にしてみれば、「そのすき間が空いていたか」と、意表をつかれることになるためです。
あとは、そのニッチ市場に対して自社の資源を集中的に投下していく。
その市場のお客様を理解し、最適な打ち手を選択し、粛々と攻めていく。
そのようにすれば、資源の小さいベンチャー企業にも勝ち目がでてきます。
絶対にリソースを分散してはいけません。
たとえ小さくても、1つの市場を制覇してしまえば、大きな利益をあげることが可能となります。
顧客から支持され、社会に周知され、成長していくことができるのです。
あとは、その市場で得られた資源を活用して、新しい取り組みをしていくだけです。