コンサルタント起業は個人事業主と法人、どちらが良い?

コンサルノウハウ

この記事を読まれているということは、「コンサルタント起業を考えているが、個人事業主か会社設立かどちらにしたら良いか分からない」と感じておられるのかと思います。


結論として、「個人事業主開業か会社設立かどうかは目指す事業規模やスタイルによって違う」ということです。
今回の記事では、個人事業主開業と会社設立の違いを明らかにした上で、あなたにとってどちらが望ましいのか判断する一助となれば幸いです。

コンサルタント起業は個人事業主と法人(会社設立)どちらが良い?

まずはコンサルタント起業に限らず、個人事業主と法人(会社設立)の4つの違いについて解説します。

開業における費用

開業における費用は、個人事業主は開業届を役所に提出するだけで開業可能です。


もちろん、事業によって物品購入費など初期投資や維持費がかかりますが、開業自体は0円でできるということです。


一方、会社設立に関して、株式会社の場合は会社印鑑などの費用を合わせて約250,000円はかかるとみておいて方が良いでしょう。
内訳は以下の通りです。

 

・定款に貼る収入印紙代 40,000円(※電子定款であれば不要)


・定款の認証手数料  50,000円


・定款の謄本手数料  2,000円


・設立にかかる登録免許税  150,000円〜(資本金の0.7%〜)


・会社印鑑代  5,000円〜

 

株式会社の設立にかかる費用は、上記の通り法定費用と会社印鑑などの費用を合わせて約250,000円となります。
会社設立の手続きを専門家に依頼した場合は、この金額に加えて50,000円~90,000円の代行手数料がかかるため、300,000円前後の初期費用となります。

税金面

税金面も個人事業主と法人では大きく違います。


個人事業主の場合、以下の税金を支払う必要があります。

 

・所得税


・特別復興所得税


・住民税


・個人事業税


・消費税及び地方消費税

 

この中でも所得税が特徴的です。


所得税とは、売上から必要経費を差し引いた金額にかかる税金のことで、「累進課税」となっており、売上が上がるほど税率も高くなる仕組みになっています(下図)。

 

出典:国税庁HP

 

例えば個人事業主として所得金額が4000万円となった場合、その約半分が所得税で持っていかれることになります。
そのため、税制をよく知らないまま儲けてしまった個人事業主は後になって苦しむということがよく起こります。


一方、法人の場合は以下の税金がかかります。

 

・法人税


・法人住民税


・法人事業税


・特別法人事業税


・消費税及び地方消費税

 

こちらも同様法人税が特徴的ですが、法人税率は所得税と比べると上昇率はゆるやかで、最大税率も23.4%です(下図)。
例えば、所得800万円に対する法人税は15%なのに対して、個人事業主の所得税は23%と割高となっています。

 

出典:国税庁HP

 

経費として認められる項目は、法人の方が個人事業主よりも幅が広いと言われています。


ただし、赤字経営となってしまった場合には、個人事業主は負担がないことに対し、法人は会社を維持するための維持費が「均等割」という税金として最低7万円発生します(内訳:法人住民税5万円+地方税2万円)。

 

上記の税金面での違いにより、税金面だけで言えば、事業所得700万円までは法人より個人事業主の方がメリットがあると言えます。

信用は法人が勝る

信用面では、圧倒的に法人の方が高いです。


例えば大企業との取引は個人事業主よりも法人の方がしやすく、むしろ個人事業主では取引さえ行ってくれないケースもあります。


また、金融機関から資金調達をする際も法人設立のタイミングは最もやりやすいと言われています。


信用面だけで言えば、開業後ある程度規模のある法人相手にビジネスを行うのであれば会社設立の方が良く、規模的にも小さい企業や個人相手にビジネスを行うのであれば個人事業主でも問題はない(ただし法人の方が信用は勝ることは変わらない)と言えるでしょう。

責任の範囲

また、個人事業主と法人の違いのひとつに、責任の所在があります。


個人事業主の場合は事業主である個人が全責任を負って事業を行いますが、法人の場合は「法人格」が責任を負います。

 

例えば、借り入れをした場合は、個人事業主の場合は事業主である個人が全責任を負って返済する義務が発生しますが、法人の場合は、法人の所有する財産で返済をすることになるので、経営者個人が返済を行う義務はありません。


個人事業主が無限責任、法人は有限責任である、と言います。

 

コンサルティング業で起業する場合は多額の借り入れをするケースは少ないと思いますが、例えば大企業との取引において損害賠償をされた場合などは、無限責任である個人事業主にとってはリスクが高いと言えますので、自身の顧客属性やリスクなど踏まえた上で個人か法人かを選択する必要があります。

コミット感が違う

上記がよく言われる個人事業主と法人の大きな違いですが、最後に主観的な感覚による違いについて補足しておきます。
それは、個人事業主として起業するよりも法人として会社設立した方が、費用もかかり信用度も高いという意味において、「コミット感が違う」ということです。
言い換えれば、個人よりも法人の方が「私は会社の社長だ」という自負心が生まれるということです。
このコミット感、自負心がその後の事業成長にプラスに働くこともあるかと思いますし、「まずは小さく始めたい」「大きくするというよりはのんびり自分のペースで働きたい」と思う場合は個人事業主の方が合っていると思います。

 

上記、個人事業主と会社設立の4つの大きな違いについてお伝えしました。


コンサルタントとしてご自身が相手にしたい顧客や将来目指したい規模感などから検討されると良いです。

コンサルタント起業において注意すべきこと

最後に、個人事業主でも法人(会社設立)でもコンサルタントとして起業される際に前もって注意しておくべきことがありますので、3点まとめてお伝えします。

コンセプトを決めて戦略的に

1つ目の注意点は、「コンセプトを決めて戦略的にビジネスを行うこと」です。


これは全ての事業で必要なことなのですが、コンサルタントほどコンセプトが重要になるものはないです。


なぜなら、コンサルタント業は名乗れば誰でも始められる仕事で競合がひしめいているからです。
弊社はこれまで多くのコンサルタントの独立起業や売上アップを支援していますが、多くのコンサルタントにとって課題となるのが「いかに差別化するか」です。


差別化をしてナンバーワンのポジションを確立するためにも、初めから「コンセプト」を決めて、戦略的にビジネスを行うことが重要です。
コンセプトとは、「誰のどんな痛みを解決するのか」という方向性です。
ここで「痛み」とお伝えしたのは、単なる悩みや課題というだけでは顧客はお金を払おうとしないからです。
緊急性、重要性の高い「痛み」を特定して、その痛みを解決できるコンサルタントであると名乗れれば、そのコンセプトだけで少なくとも受注することができるくらいになるでしょう(もちろん中身が必要です)。

属人的、労働集約的にならない

2つ目の注意点は、「属人的、労働集約的にならないこと」です。


コンサルタント業は基本的に属人的、労働集約的なモデルです。


自分自身でマーケティング、セールスを行い、受注したらクライアントとの面談を通してヒアリング、課題の抽出、解決策の定時、資料作成、時には現場管理など、やるべきことが膨大にあります。
これを全て一人でこなしていたら、新規獲得のためのマーケティングやセールスが疎かになってしまいますし、マーケティングやセールスに注力したら既存クライアントの実行支援が疎かになってしまいます。

 

属人的かつ労働集約的なモデルを放置しておけば、例えコンサルタントとして売上が上がったとしても、忙しくなるばかりで楽になる時がありません。


忙しくなってキャパシティを超えてしまえば既存客のサポートの品質が落ちてしまいやすくなるので、クレームや解約のリスクが上がってしまうという場合もあるでしょう。


これでは事業の成長性としては期待できません。

やりっぱなしにならない

3つ目の注意点は、「やりっぱなしにならないこと」です。


先ほど属人的、労働集約的にならないことが重要だとお伝えしましたが、属人的、労働集約的なモデルに陥ると、忙しくなればなるほどクライアントへのサポート品質が落ちて「やりっぱなし」になってしまいます。
そうなると、クライアントの成果を出すことが難しくなります。
コンサルタントはクライアントに成果を提供しなければなりません。
それなのに成果を上げられないということは、リピートや紹介に繋がらなくなって、悪い口コミが流れてしまって悪循環に陥ってしまう可能性もあります。

 

上記3つの注意点を意識しながら、コンサルタント起業を行っていただければと思います。

まとめ

以上、コンサルタント起業は個人事業主と法人どちらが良いか、コンサルタント起業の3つの注意点についてお伝えしました。


弊社は10年間で1,000社を優に超えるコンサルティングをさせていただき、コンサルティングの成功のポイント、失敗のポイント、従来型のコンサルティング方法の限界、DX時代の新しいコンサルティング方法などを思考錯誤しつつ構築してきました。


これから新しい時代にあって、コンサルティング方法も新しくならなくてはいけません。


弊社のコンサルティングのノウハウ、そこから見出した活躍するコンサルタントの秘訣を体系的、論理的にまとめてご紹介させていただくウェビナーを開催することになりました。


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