クライアントとの関係においてコンサルタントの仕事はあくまでも気づきやノウハウをお伝えして、クライアントにて基本的に実行をしていただいて、変化を起こすことになります。
もちろん、過程の中でコンサルタント自身が実際にお手本を見せたり、やりながら教えるということもあるため、実際に手も動かすこともありますが、それはずっとはできませんので、最終的にはクライアント先で実行ができる、すなわち動ける人を増やすことがコンサルタントの1つの使命と言えます。
コンサルタントはクライアント先の社員の中で動ける人を増やさないといけないわけですが、そのためにはどうしたらいいでしょうか。
会社の風土を変えていく
まず最も大切なことはそもそも会社の風土を変えていく必要があります。
多くの中小企業の場合には、減点方式や保守的な風土で組織形成されていることが多く、新しいことをやることに対して抵抗感を持っている人も多くいます。
そもそもこのような会社風土にあっては、動くことが構造として阻害されてしまっているため、ここから変えていかなければいけません。
会社風土を変えるというのは、クライアント先の社長としっかりと問題意識を共有して社長の力を借りながら変えていく必要があります。
減点方式ではなく、そもそも何もしないことを最も良くないこととし、会社の在り方などを変えていっていただくわけです。
新しいことをする場合には、そもそも新しいことをはじめてするわけなので、失敗する可能性のほうが高いわけです。
慣れ親しんだ仕事であれば失敗することもあまりないでしょうが、会社というのは新しいことをしていかなければ時代に取り残されてしまうわけです。
この構図(新しく何かをすることは失敗が多くなること)を会社がしっかりと理解をして、会社は新しい動きにおいての失敗を責めない、むしろ褒めるということなど、新しいこと、動きに対しての会社の認識を社員にも伝えていくことが大切です。
新しいことをする、動くことに対しての認識をきっちりと会社の中で浸透させていく必要があります。
社員は4人の人に分類される
そもそも社員は4人の人に分類できます。
1、言われなくても自ら動ける人
2、言われたら動ける人
3,言われても動けない人
4,そもそも動く気がない人
です。
コンサルタントとして、1の人は言われなくとも動ける人なので、やっていることに対して見守りつつ、話を聞いたり、より自信になるようにサポートをしていきます。
2の人に対しては、具体的にどうしたらいいのかという考え方ややり方を伝えていきます。
徐々に自ら動ける人に変わっていきます。
3の人に対しては、能力的に何か大きな問題があることがありますので、クライアント企業にそもそもの能力アップのサポートなどを相談することになります。
4の人に対しては、コンサルタントとしてはできることはとても少ないと思います。
そもそも仕事の在り方などの根底を変えてもらわなければいけません。
コンサルタントとしていかに1,2の人を多く増やすことができるかが大切になります。
全ての人に時間を使うことはコンサルタントもできませんし、会社も成果を出さないといけません。
そうすると1,2の人を通じて実際に動いてもらうということになります。
コンサルタントとしてはこの人の見極めを含め、3の人をいかに2にできるか、2の人をいかに1にできるかということを意識してクライアント企業と話をしながら動ける人を増やすことを実現していきます。
動ける人を増やすもう1つの方法は小さな成功体験をさせること
クライアント先に動ける人を増やすもう1つの重要な方法として、動いたことでうまくいった、前に進んだ、褒められたというような成功体験をさせてあげることが欠かせません。
動いたことで褒められたりしたら、人は誰でも嬉しくやってよかったなと思いますし、自信にもなります。
そのことによってまた次もやってみようとなって、動くことが加速されるわけです。
くれぐれもやってはいけないことは、この反対のことで失敗体験となるようなことはさせてはいけません。
これは先に書いた風土の部分とも関係してきます。
そもそも、自発的に動く社員が増えるということは会社成長にとってとても大切なわけですので、コンサルタントは社長としっかりと重要性をすり合わせして実現できるように設計、実行をサポートしていくことが欠かせません。