コンサルタントに不可欠な聞く力=話をさせる力

コンサルノウハウ

コンサルタントにとって経営者との関係を構築していくことはとても重要になります。 関係構築においてとても重要になるのがコミュニケーションです。 コミュニケーションの取り方、ポイントとして特に聞く力が重要です。ここでは聞く力についてご説明します。

聞き方がうまい=相手に話をさせることがうまい

聞き方がうまい=相手に話をさせることがうまいことは、コンサルタントとしてバリューを出すためのとても重要な力となります。

クライアントの話がわかりにくいままであっては、コンサルタントは本当の課題、情報を掴むことができずコンサルティングの提案などを間違えてしまいます。

また、クライアントがいろいろな話をしてくれるというのはそこには信頼関係ができているからできることでもあるわけです。

聞き方がうまいことはクライアントに話をさせることがうまいことと同じわけですが、このことによってクライアントの信頼の獲得、人間関係の深化なども実現できるのです。

聞き方がうまい=質問がうまい

大小ありますが多くの人は自分の話をしたい生き物だと思ってください。

コンサルタントとして良い質問ができることはとても重要なスキルになります。

この人と話をしているとついつい饒舌になってしまうという人にコンサルタントがなることで(貴方の周りにもいると思います)、信頼関係はもちろん、コンサルティングにあたっての重要課題、情報などを入手しやすくなります。

質問が下手な人ほど、1つの質問で盛り上がらないと、話が変わる別の質問にいってしまいます。

話の深化ができていないわけです。

質問がうまい人は、1つの質問から、具体的には?たとえば?などと、自然に、話を深ぼることをして話が展開されていきます。

コンサルタントは、絶対に相手に話し方が下手だとか思わせてはいけないですし、相手を傷つけるようなことがあってはいけません。

相手が言っていることがわかりにくい、抽象的なのは、自分のせいだと思うべきです。

話がわかりにくい人は具体例がない

話がわかりにくい人のポイントは具体例がないことです。

1つの理屈などに対して3つは具体例をくっつけて話すくらいが良いです。

意識をしてみてください。

具体例の中で最も強力なものが、自分の体験、エピソードとなります。

ただ実際のビジネスにおいては、自分の話だけですと少し対象が狭かったり、展開しにくいこともあるので、他の有名なケース、事例、大きな事例などもあるととてもよくなります。

コンサルタントがクライアントの話がわかりにくいと思った場合には、話がわかりにくい人のポイントは具体例がないことだと理解をしておいて、具体例を引き出すことなどを意識しましょう。

メモを取ることはすごい武器になる

相手の話の中において専門的なことがあった場合など、

たとえば

「バリエーションを高めていきたいんですよね」

という場合、
「社長、バリエーションとは何のことでしょうか?」

と聞いて、社長が

「バリエーションとはね、、、」

と話した瞬間に即座にメモを取るわけです。

この動きができる人はかなり少ないです。

この行為(即座にメモ)によって、相手にとても良い印象を与えることができます。

それは、相手からすると尊敬されている、重要な人だと思われていると良い印象を与えることが出来るわけです。

発言した側からすると、自分が言っていることがメモされている=重要なことを言っている自分がいるということで自分の重要性、肯定感が高まるわけです。

メモによって

・抜け漏れ防止
・相手の重要さ、肯定感の向上
・話が盛り上がる

 を実現できます。必ず実践してみてください。

話を要約し確認をする

相手の話を聞いている中で、何が言いたいのかわからずにとても話が長くなるような人の場合には、

「ここまでのお話だと●●ということが要するにとても大切ということでしょうか?」

というような形で、話をクリアにして差し上げることや、上記のように途中で結論などを意識したほうがよいと、うまい塩梅で、失礼にならないような形で気が付かせて差し上げることができるかがとても大切になります。

ズルズルとよくわからない話を長時間にわたって展開する人がいて、それを我慢強く聞いたとしても、結局は何が言いたいのか?をキャッチできないとコンサルタントとしては良い提案などもすることができず大きなデメリットとなってしまうため、この途中で理解を伝えることを通じて、相手の話を多少なりクリアにしたり、何を話さないといけないのかを修正できるかはとても重要です。

議論に勝っても、契約や信頼などが勝ち取れないと意味がない

当たり前ですがコンサルタントとして相手を議論でやりこむことがコミュニケーションの目的では全くありません。

ただ相手の話などに対して、少し修正を伝えたい、反論を伝えておきたい場合などもあると思います。そのような際には、下記を大切にしてください。

1,相手の話を完全に肯定しきる
●●さんのお考えは考えると確かにとても良いなと思います。

2,全部を否定しないで、自分の考えはどう思うかを聞いていただく
●●さんのお考えをベースに、この部分についてこのような場合もあるなと思うのですがどうですかね?

のようなイメージです。

つまり、相手の話に賛同をしていることをベースにしてしまって、提案をしていくということです。

その提案の中でも、●●さんのアイデアはとても優れていると思っていて、●●さんのアイデアを参考にさせていただいてこの部分なのですがというように、相手の名前をはじめ、賛同していることを枕詞に入れることができるととても効果的になります。

相手に気持ちよく話をしていただくためには、否定の強い言葉などは使わない

「でも」「できない」「難しい」「無理」「無駄」のような言葉を使うのはどんなときでもやめましょう。

どのような言葉を選ぶのかはとても意識をするようにしてください。

否定の言葉というのはとても相手の印象に残り、印象などをとても悪くしてしまいます。

否定の強い言葉というのは、相手のやる気を殺ぐことになりますし、貴方の印象をも決めてしまいます。

否定の強い言葉がなくなるだけで、貴方と話をしているととても前向きになる、貴方と話をしているととても楽しい、ワクワクするということを言われるようになります。

相手のスピードや言葉に合わせる

 話をするときには基本的に相手の話すスピードに合わせるようにしたほうが良いです。

話が早い人であれば聞き方や合いの手もテンポ良い感じが良いでしょうし、ゆっくりな人の場合にはそのテンポに合わせることを意識してください。

あわせて、とても重要な着眼点として、相手の使っている言葉を基本的に使っていくことで話がとても滑らかになります。 

「お手洗いはどちらですか?」→「トイレはこちらです」

「従業員が成長しないんだよね」→「社員の成長を実現しようと思うと」

などと、相手が使っている言葉をわざわざ変換する人が結構いますが、これは印象をとても悪くしてしまいます。

もちろん相手の言葉の使い方が間違えている場合には、うまく修正をすることは必要ですが、そうでない場合には、基本的に相手の使っている言葉に合わせることがコミュニケーションを滑らかにします。

うなずき方について

相手の話をしっかりと聞いていることを示すことはとても重要な聞く力の一部です。

その中で、うなずくことはとても重要です。

ただ、うなずくことも、一定のペースで、ただうなずいていたらよいかと言えば違います。

相手の話に応じて変化をさせるわけです。

特に、相手が楽しい、ワクワクするような前向きな話をしているときには、前のめりな形で、スピーディーにうなずくほうがよいでしょう。

逆に、悲しい話、ネガティブな話の際には、相手の話の深刻さに応じて、(軽率に話がわかっているというように思われないようにスピーディーにうなずくことはなく、)基本的にゆっくり、相手の話、内容に応じてうなずくことを意識しましょう。

会話が盛り上がるあいづち

「あいうえお」を意識してみてください。

ー、そういうことなんですね!

やー、それはすごいですね!

わー、そんなことってあるんですね!

ー、そんなことあるんですね!

ー、そういうことなんですね!

しっかりと相手の話を聞いているということや、相手が話をしやすいようにして差し上げることが大切です。

相手の話をしたいことをうまく質問で引き出す

相手が気持ちよくなる質問ができると相手との関係は一気に深まっていきます。

ポイントは相手のお気に入り、興味関心が最もあること、こだわっていることなどについて気がつき、質問できるかです。

相手のお気に入りなどを理解するためには、

・事前の調査(SNSなど)

・話の中で意識をしてポイントを探していくこと

が必要になります。

自分のことを先に一言、言ってから質問に入る

返報性の法則(何かをされたらお返しをしようという法則)がありますので、先に貴方が話をすることで、相手は話をしようと思いやすくなります。

「僕は横浜出身なのですが、●●さんはどちら出身ですか?」

「人材が全然定着しなくて退職をすごい繰り返しているんですよね。●●さんの会社はいかがですか?」

この先の一言をうまく使うことによって、相手がとても話しやすくなります。

相手はわかっていないという前提で話をする

何かの話をしている際に、相手ももちろんわかっていると思い込んで話をしていることがあります。

このようなときに、相手が話を分かっていない場合は話についていけていなかったり、知らないということを言えなかったりする(そんなことも知らないのかと思われたくない)ので、良い状態ではありません。

そのため、少し専門的な話や言葉だなという場合には、相手が知っていたとしても、どういうことなのかということを、一応確認のためにということでご説明して話を拡げていくことをよくしています。

もちろんこの説明は相手が知らないから教えているという体では全くありません。

話をより円滑に展開していくために、重要なポイントなので、このようなことであり、このような理解をしていますという体で、話をしていくわけです。

リアクションは大きい方が良い

相手の話を聞いている中でリアクションがないことが最もよくないことです。

そのため、リアクションはまずすることは当たり前ですが、リアクションの程度としても小さいより大きいほうがよいです。

リアクションが大きいというのは、あいづちや声が大きいということだけでなく、貴方の話をしっかりと、真剣に聞こうとしています、聞いていますということが伝わることが全般です。

たとえば、話が始まった際に、相手の方向に身体をしっかりと向けて目を合わせて話を聞くことだったり、パソコンをいじったりしつつ話を聞く、時計を見るなど聞いていないのでは?と思われることをしないということでもあります。

相手の話をよく聞いたあとで、前向きな言葉で締める

相手の話をよく聞くことは当たり前ですが、話を聞いた後に必ず期待する、励ますということがセットになるととても良い印象となります。

・社長なら必ずできます

・社長くらい社員想いの方はなかなかいませんので、とても良い会社になっていきますね

という感じです。

「なぜ」と「コメント」を繰り返し、考えていただく

トヨタ方式でもありますが、なぜを繰り返していくことで真理にたどりつくということがあります。

コンサルタントはその言い方や伝わり方が圧迫している形でなく、自然な形でなぜを相手に問うことができると、相手は考えることもそうですが、そのことによって多くのことに気が付くことができます。

また、なぜということを問うて、相手から出てきた答えに対して、自分なりの考えなどをコメントし、また、なぜに移るということがよいと思います。

たとえば、

社長、なぜお客さんはお客さんを紹介してくださるんだと思いますか?

→商品に満足しているからでは?

→確かに、商品に満足がないと紹介は起きないですよね。

現在の御社の状況だと商品満足は高いと思いますが、なぜ紹介が少し少ないのだと思いますか?

のような形です。自然にできるようになると、相手からすると、話をしていてとても頭が整理されたり、クリアになった、問題が何かわかった感じてくれるようになります。

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