コンサルティング契約が開始して、クライアント先の現状把握を終えた後で、それと並行しつつということもありますが、クライアントのあるべき姿ということを決めていく必要があります。
あるべき姿というのは具体的な目標と言ってもよいです。
このあるべき姿というのは少し難しく、明確な正解というものがなく、クライアント毎によって変わってくる部分もかなりあります。
しかし、あるべき姿なくして現状から会社を改善させたり、成長させることはできませんので、このあるべき姿をクライアントの社長が納得感を持って目指したいというものを決めることがとても大切になります。
ここではあるべき姿をどのようにして決めたらよいのかをご説明します。
あるべき姿の最高峰は経営理念
あるべき姿の最高峰は経営理念になります。
そのため経営理念を目指すということが1番よくある、あるべき姿になります。
ただ、会社によっては経営理念がまだないという会社があったり、経営理念はあるものの抽象的だったり、社長が何となくつくっただけでしっくりきていないということもよくあります。
このような場合には、そもそも経営理念を一緒にまずつくるということからスタートすることになります。
業績が上がるわかりやすい経営理念の作り方 も合わせてお読みください。
経営理念通りできたらどういう状態かを考える
経営理念がしっかりと作成できた場合や、もともと経営理念を持っている場合には、次に経営理念が体現できている場合の会社の状況を具体的に言語化していきます。
現状の姿でなく経営理念通りにできた場合には、
・社員はどのような状態か
・会社はお客さんに対してどのような価値を提供しているのか
・会社は周りからなんと言われているのか
・業界において会社はどのような存在となっているのか
・会社の売上、利益はどのような状態となっているのかなど
このように会社の色々な状況を具体的に考えてみるのです。
ここが具体的に考えることができればできるほど、目指すべき姿、あるべき姿が浮き出てくるわけです。
逆に経営理念が抽象的になってしまえばしまうほど、上記のようなイメージも抽象的になってしまうため目指すべき姿、あるべき姿も抽象的になってしまうため、経営理念をどれだけ当事者意識を持った形で具体的につくることができるか、具体的にすることができるかがとてもポイントになります。
経営理念が実現できた姿を具体的にできると、その姿に対して現在地点とのギャップが見えてきます。
このギャップ部分を埋めていくことがアクションプランや実行プランになっていきます。
現状でのあるべき姿から考える
もう1つあるべき姿を考える方法として、現状でのあるべき姿を考えるという視点もあると思います。
これは経営理念からあるべき姿を考えるということが理想だと思いますが、会社は生き物で、今目の前でも課題、問題が山積みだったりします。
この山積みになっている課題、問題で特によくない部分から改善、解決していくということです。
弊社の経験的にいうと、経営理念からあるべき姿を考えるという動きと、現状の課題、問題からあるべき姿を考える(課題、問題解決)という動きを並行してやっていくということがほとんどです。
会社毎に状況は違うため状況のよい会社ほど経営理念からあるべき姿を考えるという動きを強めにできますし、状況のよくない会社ほど現状の課題、問題を改善、解決していく動きを強めにしていくことになります。
ただ、どのような状況であっても、クライアントの社長に対しては経営理念から本来のあるべき姿ということは考えていただき、常に意識してもらって、会社としてしっかりとできている状態になるように少しずつ動いていただくことが大切です。
経営理念から考えると商品、サービスが全然よくない、社員がもっともっと成長しないといけないなど、結果としてやるべきことが多数出てくるのですが、一朝一夕ではできないことですので、早めに少しずつでも着手をしていくことが欠かせません。
現状がうまくいっていない会社、社長からすると途方もない道のりに見えるかもしれませんが、コンサルタントは社長に対して絶対にできること、諦めないこと、ゴールまでの道のりを分解してできると思わせることなどこの部分はとても腕の見せ所になると思います。