経営者の仕事は意思決定です。
この意思決定に対して、会社を成長させるための方向づけをサポートしていくことがコンサルタントの1つの仕事です。
経営者1人では、会社のことで見えないこと、わからないことが必ずあるので(当事者なのでという意味です)、コンサルタントが客観的に会社の状況を理解して、目標に対しての問題、課題を設定して、サポートをするというイメージをもっていただくと良いと思います。
そのため、コンサルタントというのは体系的であったり、論理的であったり、俯瞰して会社、経営者を見ることが欠かせません。
ここでは経営者から出てくる問題、課題を疑い、会社を本当に前進させるという話をします。
経営者が言う問題、課題を信じてはいけない
多くの経営者が問題、課題だと言うことや、実際の社員に話を聞いてみて、これができていない、あれがよくないという、よくないことを多数聞くことになるわけですが、
ここで出てくるような問題、課題というのは、一見すると確かに問題、課題のように見えるのですが、
大切なことは、これらの問題、課題は多くの場合は表面的な問題、課題であって解決、改善しても根本的な問題、課題が解決しない限り、ずっと出続けるあるいみ現象のようなものが出てきます。
そのため、コンサルタントというのは、本当の問題、課題を見極めて、根本から解決、改善することを経営者とともに進めていく必要があるわけです。
たとえば、「新規のお客様を増やしたい」という課題を持っている会社は多数あります。
経営者の話だけを聞いていると確かに新規のお客様を増やさないといけないなと思うことになるわけですが、ただよくよく深堀をしてみると、買ってくださったお客様=既存のお客様からのご紹介などが全然起きていない=現在の商品やサービスがあまりよくない状況がそもそもあったりします。
弊社の考えにおいて、商品やサービスの定義として、
「お客様が大満足をして、リピートはもちろん、他のお客様をご紹介してくれるもの」としています。
つまり、お客様からのご紹介が起きていない商品やサービスというのは、どこかしらに問題があると考えています。
中小企業の場合には、リソースが決定的にありませんので、とにかく効率的に会社経営をやっていく必要があります。多くのことはできませんし、大きなお金はありません。
商品やサービスを販売できたとしても、その商品やサービスのリピート率が低かったり、ご紹介が生まれないというのは、常に新しいお客様を探し続けなければいけないわけです。
もちろん常に新しいお客様を探すことはし続けるべきなのですが、中小企業においては、その新しいお客様を生み出すまず最初にして、最も重要な方法がご紹介だと思っています。
ご紹介が生まれる商品やサービスであれば1人のお客様が増えると、1人のお客様が増えていくことになります。(もちろん全員からの紹介でなくとも)
この状況というのは、リソースがない中小企業が絶対に実現をするべき状況となります。
新しいお客様を探すことにお金をかけずに、お客様をとにかく満足していただくこと=商品やサービスにお金をかけて圧倒的な状態をつくることで、そもそも競合他社との大きな違いにもなっていくわけです。
このように、経営者の話をそのまま聞いてしまい、確かに問題、課題だと感じたとしても、その問題、課題が仮に解決したとしても、次の問題にぶつかってしまうわけです。
今回のケースで言えば、お金をかけて新しいお客様を見つけることができたとしても、商品やサービスのリピート率、紹介率が低い=商品やサービスがさほどよくない状態のままでは、ずっとお金をかけて新しいお客様を探し続けなければならず、時とともに費用がどんどん高くなっていくことになってしまうわけです。
そのため、コンサルタントというのは、経営者の話をしっかりと聞きつつも、本当にそのことが問題なのか?そのことが解決したら会社は全体としてよくなるのか?という目線を持っていなければいけません。