コンサルタントとしてクライアントと目指す部分からそもそも一緒につくることができると、とても強い関係の下、コンサルティングを実行することができます。
クライアントである会社が目指すものというのは、どの会社でも共通にすることができます。
それは「経営理念の実現」ということになります。
会社のゴールというのは経営理念の実現だと考えていただけるととても分かりやすいと思います。
経営理念の実現ということを分解していき、クライアント社内を経営理念に向けて一致団結している状態をつくることができるかどうかは良いコンサルティング、良いコンサルタントの成果や良い成果を出すための絶対必要条件と言えます。
経営理念実現に向けて一致団結の会社をつくるために必要なことをご説明します。
経営者に経営理念を具体化してもらう
経営理念実現に向けて一致団結の会社をつくるためには、経営理念そのものが具体的でなくてはいけません。
この意味合いとしては、経営理念が具体的でもよいですし、経営理念をより行動などのレベルで具体化した行動指針などをつくっていくことで、具体化していくことがとても重要になります。
経営理念の重要性というのは社歴が一定出てくると多くの経営者は感じることがあり、学習する機会やちゃんと作成しようという機会を持つことがあります。
しかし、結果として、経営理念を持っていてもとても抽象的なものになっていたり、実際の経営、実際の仕事に落とし込むことができていない=ただ経営理念をつくっただけで終わっているということが多々あります。
経営理念をただつくっただけ、抽象的な状態では経営理念に向けて一致団結した会社には絶対になりません。
経営理念を中期経営計画に変換する
次に経営理念を中期経営計画(弊社の場合、3年計画)に具体化することをしています。
経営理念を具体化するというのは、3年後に最もうまく経営理念が体現されたとして、どのような状態、状況になっているか?経営理念が実現できたとして3年後の会社の状況、状態を具体的にしていただいています。
経営理念というのはどうしても概念的なものだったりしますので、色々な観点で具体化していくわけです。
ここでは3年後の姿ということで、3年後の目標を考えていただくわけです。
3年後の目標というのは、あくまで通過点に過ぎませんが、時間をしっかりと決めて考えることがとても大切です。
3年後の目標としては、
・定性的な目標(お客さんからこのように言われていたい、社会的にこういう存在でありたい)
・具体的な目標(こういうビジネスをしている、こういうことを実現している)
など、様々な観点で、最大限、経営理念が実現できていたらとどうなっているのか?を考えていただくことになります。
3年後の目標を更に分解して1年目の目標にする
3年後の目標を立てたら、1年目の目標をさらに具体化します。
3年後の目標を1年目→2年目→3年目と分解するわけです。
3年後の目標がとても大切なわけですが、時間として少し遠いのでこれを1年目の目標に具体化するわけです。
1年目の目標を立てたら、その目標を更に分解して四半期目標などの形にできるとよりよいです。
このように経営理念→3年目標→1年目標→四半期目標という形に経営理念から全て繋げて目標を逆算してつくっていくことがとても大切になります。
近い時間軸になることでより具体性が増してくるわけです。
目標設定においては経営理念と繋がっていない目標では意味がありませんので、経営理念から全て繋げて目標をつくることがとても大切になります。
目標を具体的につくるにあたって、経営理念が抽象的だとそれぞれの目標をつくることがしにくくなってしまいますので、経営理念を具体的にすること、経営者が実現したい理想ということが具体的になっている、具体的にすることがとても大切です。
社員に経営理念、具体的な目標、それぞれに期待することを伝えてもらう
経営理念が具体化されて、かつ、3年目標が定まったら、それらを社員に伝えていきます。
多くの中小企業ではこのように経営理念がかっちりと決まったり、経営理念から逆算された具体的な目標が決まっていることはなかなかありません。
そのため社員の目線からすると、この会社は何を目指しているのか、どのような方法でそれを実現するのか、自分には何が求められているのか、うまくできたときには自分にはどのような変化(成長、給与など)があるのかを明確に示していることがないことが多いです。
多くの会社は社員の目線でいうと、会社のことで見えないことが多数あります。
この見えない状況というのはストレスや不安、不満に繋がり、成長をできない原因となったり、離職にも繋がる要素です。
会社として様々なことを見える状況にすることは強い会社になるために不可欠なことです。
貴方に期待していることはこれと明確に伝える
会社が目指していること(経営理念~3年目標)、具体的な実現方法(どうやっていくかという作戦と計画)の中で、社員個人個人に期待していることを伝えます。
貴方に期待していることは会社の目指すこと、具体的な方法の中で特にここで力を発揮してほしいということや、現在の力では目指すことは実現できないのでこういう力を身につけていってほしく会社としてもサポートすることなどを具体的に伝えます。
このことによって社員からすると会社から期待されていることや、自分のキャリア、成長も考えることができます。
会社の将来像から逆算をして、社員にどのような存在になってほしいのかを伝えるわけです。
また、社員からすると目指していることが具体的であればあるほど自分もそれを実現したい、実現したくないということが明確になり、実現したいと思う社員からするととても会社の目標と自分のやりたいことが一致するため非常に良い状況になるわけです。
ただ、逆に会社の目指すことが明確になるとそれを実現したいと思わない社員も出てくることがあります。
会社は1つの目的、目標を持った存在ですので、目的、目標が一致しない社員がいる場合には一致をしてもらうか、そうでない場合には会社から離れてもらうことも必要になります。
このことがクリアになることがとても大切です。
経営理念の実現を一緒に目指せない社員に時間を使い続けることは現実にできません。
PDCAサイクルを仕組みにしていく
社員1人1人に期待することまで伝えてからは、目標に対してのPDCAサイクルをしっかりと回していくことが必要になります。
目標をただ掲げているだけで進捗確認、改善行動、振り返りなどをしない会社が多くあります。
これでは目標はなかなか実現されないのと、持続的に目標を達成し続けられる組織にはなりません。