守秘義務がノウハウになるコンサルティングほど明確な信義が必要

コンサルノウハウ

コンサルタントはある種の矛盾を抱えています。

たとえば、A社のコンサルティングの経験の中で様々なノウハウが蓄積されていきます。
A社の会社の成長、成功のためにコンサルタントは存在し続けるわけですが、A社と同業の会社にA社のコンサルティングの経験の中で蓄積したノウハウを提供すればとても喜ばれたり、すぐにコンサルティングの契約数を増やすことができるわけです。

これはあくまでもコンサルタントの目線になるわけですが、クライアントの目線で言えば同業他社の支援はしてほしくないと思うことが普通です。
当たり前に契約の中において守らないといけない守秘義務などはあるわけですが、そうでない内容、経験、ノウハウにおいての線引きなどは極めて難しいわけです。

ここでは、コンサルタントとしてクライアントに信頼され続け、持続的に成長していくためにはどうしたらいいのかご説明します。

コンサルタントの中で明確なルールを決める

最も大切なことはコンサルタントの中で自分のルールを決めるということです。
コンサルティングという仕事の特性はもちろん、どのようなコンサルタントになりたいのか、自分の中で大切にしている価値観、考え方ということです。
コンサルタントは何かの資格が必要なわけではありませんが、たとえば、弁護士などのプロフェッショナルな仕事においては明確に利益相反となる契約はダメということや守秘義務などの取り扱いが厳しく決められているわけです。
これは職業の性質、本質を表してのことです。
安心して相談できる、自分の味方であってくれるということを絶対に担保しているわけで、それが崩れてしまっては仕事の関係がそもそも成立しない重大すぎる問題になるわけです。


コンサルタントも全く同じだと思っていますが、コンサルタントは決まりがあるわけでないので自ら高い倫理、価値観をもっている必要があるわけです。

フェアであることが最も大切

当たり前ですが、フェアであることが最も大切だと思っています。


たとえば、A社を手伝っていてそこで得た経験、ノウハウを競合他社のコンサルティングをすることでA社の不利益になる場合にはやるべきでないと思っています。


A社の不利益になるかどうかというのはもちろん難しい話ですが、かつて、弊社が業種特化でコンサルティングをしていた際にこのような問題がよく出ました。
その際には地域を区切って、地域でコンサルティングの契約をいただいている会社がある場合には同地域の同業他社のご依頼は全てお断りしていました。


お断りした数でいえば数十社は下りません。


経験を積み上げて絶対にお役に立てる、契約も増えて売上も上がるということで大変もったいないなとか、残念だなと思ってしまうことも正直ありましたが、
そもそも最初に期待をしてくださってご依頼いただいた会社があったので今の自分があるということを思うと、最初にご依頼してくださった会社さんがうまくいくことに徹しようということで決めたルールを貫いてきました。
そのような姿勢もあってか、コンサルティングの事業を開始してから10年なのですが、契約が5-10年という長さで続いているクライアントも多数います。

クライアントに契約前にルールを伝える

クライアントに対して自身のコンサルティングに対してのルールを契約前に伝えることもフェアを担保することだと思っています。
こういう形で他社と契約することもあるということを明確に伝えることをして、それでもよいので依頼したいということであれば、これはフェアなわけです。
最もよくないことは後出しで、言っていなかった、明確にしていなかったことで、クライアントの不利益になることだと思っています。

クライアントがフェアでない場合には契約解消する

コンサルタントが自らのルールをしっかりと守っていく中で、クライアントサイドがフェアでないことをされることが残念ながら出てくることがあります。
ご提供したノウハウを使って同様のコンサルティングをはじめたりということが1番よくあることです。
これもコンサルタント自身がそのようなことをどのように考えるかによって答えは変わるわけですが、弊社の場合にはミスなどは仕方ないにせよ、明らかに意図的に信頼できないなということがあった場合には契約を解消させていただくこともあります。
コンサルティングというのは突きつめていくとクライアントとの関係は本当に奥深いものになっていくので、信頼ということが絶対の鍵になるわけです。

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