選ばれる士業事務所になる7つのマーケティング方法

士業

「士業」と呼ばれる人たちは弁護士、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等であることはあなたもご存じの通りです。
この士業というものは、専門性の高い資格となっており、仕事として行いたいと考えるのであれば国家資格に合格することが必要となります。
専門性が高いということは、イコール合格までに多くの時間をかけ、難関な試験を突破しなければいけない資格でもあるということでもあります。

 

ですが、テレビやラジオのCM、街を歩いている時の看板、新聞広告、最近ではインターネットの広告等で、「弁護士法人○○法律事務所」や「○○会計事務所」、「司法書士法人〇〇」等の文字を目にする日は少なくないのではないでしょうか?
おそらく多くの方が、出勤する際や、お出かけの際等に、いくつもの士業の事務所を見かける方が多いでしょうし、更にインターネット上にはたくさんの士業の広告が普通にネットサーフィンをしている場合にでも表示されます。

 

つまりこれは、専門性の高い仕事ではあるものの、今現在は多数の士業の事務所が存在しているということの証左であると言えるでしょう。
仮にあなたが士業の事務所を開設したとなれば、それだけ競合相手が存在するということです。

 

「看板を掛けた後は、ただ座って待っているだけで必然的にお客様がやってくる」、「受け身でも一定の業務はある」という時代では無くなりました。

 

上記のようなスタイルの変更を促した原因としては、士業の資格を持つ人が絶対的に増えたということの他に、インターネットの普及により、一般の人が自分で調べ、内容によっては士業に頼むということをしなくなったということがあげられます。
あなた自身もGoogle、Yahoo!等の検索エンジンを利用して情報収集することで、そこまで困難ではない問題に関しては解決できた経験があるのではないでしょうか。
そのようなこともあり、現代では、こちらから情報を発信し、アプローチをかけ、それを一時的にではなく定期的に続けていかなければ事務所を維持することは厳しい状況に直面する可能性が高いでしょう。

 

では、多数の事務所の中から、あなたの事務所を選んで頂くには、どのような方法があるのでしょうか。
ここではお客様に選ばれる事務所になるための7つの手法をご紹介していきます。

事務所(業務)のホームページ作成すること

スマートフォンが普及した現在では、自宅のパソコンだけに縛られていたインターネットの自由度が飛躍的に増大し、これまで以上に情報収集にかかせない重要なものになりました。
あるWebサイトの統計では、「行動を起こす人間の約8割近くは、まず初めにインターネットでの検索を行う」という結果も出ています。

 

つまり、インターネットで検索をかけ、ちょうどあなたの事務所を見つけた人にとっては、ホームページが事務所の顔になるということです。
ホームページの作成は、もはやインターネットを活用して業務を行う上でネット上で最も重要なものであり、名刺に代わるものであるといっていいと思われます。

 

例えば、あなたが何か買い物をする際に、インターネットでメーカーの公式ページでその商品の特徴を調べたり、amazon、楽天市場などの通販サイトの評価や価格.comなどに公開されているカスタマーレビューを読み、自分の知りたい情報を探すということをしているかもしれません。


意識的に、もしくは無意識的に、その商品にあなたの欲しい機能がついているか?買うに値するだけの価値はあるのか?理想的なものであるか?を調べていることになります。
これは「物を購入する」際に、お客様の意思決定がインターネットの情報に左右されているとも言えます。

 

さらに、メーカー側は電話やFAXだけでなく、メールやチャットによる質問や相談も当たり前の時代になってきました。
これらのことをあなたのホームページに適応させるのです。
以下に、例としていくつか項目を挙げていきます。

事務所の紹介

まず一つ目は事務所の紹介です。
これは事務所の住所、電話番号、メールアドレスだけでなく、あなた自身のことも紹介するのが重要な要素になってきます。
事務所がどの地域にあるのか?
連絡する方法は何になるのか?
ということはもちろん大事なことですが、助けを必要として依頼を考えている方は、あなたの事務所の住所や電話番号だけが知りたいのではなく、あなたの事務所が提供しているサービスの内容やあなた自身が持っている知識や技術、強みに興味があるのです。

サービス内容・料金

これは、あなたの事務所が出来ること、取り扱っている業務、そして料金です。
これはあなたの事務所と競合事務所を比較検討する上でとても重要な目安になります。
依頼をした場合にはどのような流れで、どんなサービスを提供してもらえるのか?
そしてそれはどのくらいの料金なのか?
それがわからなければ、お客様に選ばれるか選ばれないか以前に、情報不足と判断されて早々にホームページから去っていくと思いますよね??

 

例えるなら、値段が表示されていないお寿司屋さんの入りづらさに近いものがあります。
これは当然のことですが、絶対に掲載しておくようにしてください。
時価などという得体のしれない恐怖を感じるサービスを積極的に利用しようと考えるお客様はあまり存在しないことは、あなた自身の経験でも理解できることでしょう。

メールでの質問や相談、それに対する回答

いまや電話に代わり、メールやチャットが重要な連絡ツールになっています。
プライベートからビジネスまで使っていない人のほうが少数派になっていると思います。
電話ほどの早さはありませんが、いきなりの電話は緊張するので苦手だという人、電話が使えない(使うことで周囲に迷惑のかかる)電車内のような場面、時間的な制約などからなかなか電話をすることや受けることのできない人にとっては最適の方法です。

 

そこでメールやチャットサービスを利用してお客様から質問や相談を受け付けるようにするのです。
それは些細なことであったり、逆にとても大きな案件であったりお客様によって様々でしょう。

 

しかし、それにしっかり回答することで、お客様とのコミュニケーションが行われ、それがあなたの事務所への大きな信頼に繋がることになっていくのです。

ブログ

ブログは読む側にとって、最も手軽に人の意見や考えを知ることのできるツールです。
つまりあなたが書く側であれば、あなたの言葉、考え方、意見が発信できることになります。

 

例として、よくある案件を、あなたの言葉で、専門用語などはわかりやすく丁寧に説明し、こちら側から発信していくことは、ブログを通じてあなたへの認知や信頼をあげるものになると思われます。

 

上記の1-1〜1-4の内容は、「お客様側の知りたい情報」であり、「あなたの考え方や意見」を知る上での優先項目になるのではないでしょうか。

Facebook・Twitter

FacebookやTwitterは今や個人だけでなく、企業も積極的に広告媒体として利用しています。
その理由として一番なのは、インターネット上でダイレクトに潜在的なお客様との交流が持てるという点にあるのではないでしょうか?
そしてこの2つのツールの根源にあるのは「情報発信」ということです。

 

上記のブログを更新したお知らせだったり、セミナーの開催のお知らせだったりと、こちらからアプローチすることも可能です。
詳しく見ていきましょう。

Facebook

Facebookでは、つぶやき程度の発言からブログほどの長文まで投稿することができ、写真も載せることができます。
それであればブログだけでもいいと思われますが、Facebookにはその他にも便利な機能が少なくとも2つあります。

 

まずあなたが投稿した記事に、あなたの友人のAさんが「いいね」という評価をしたとします。
それは、Aさんの友人になっている人全員に、「Aさんがこの記事を評価しました」というかたちで、あなたの記事が紹介されます。
つまりあなたの記事が一人に評価された場合、その何倍もの数の人があなたの記事を知ることができます。

 

これは、あなたを知ってもらう、繋がりを増やすきっかけとして非常に優れているツールだと思いませんか?
また、それとは別の機能で、広告を表示させることができます。
Facebook上に登録されている方を対象に「性別」・「年齢」・「地域」・「キーワード」・「カテゴリ」等で絞り、それに合わせて広告を表示させることが出来る機能です。

 

その広告がセミナー開催に関することであれば、開催する予定の地域で絞り込み、さらにセミナーの内容によって年齢や性別で絞り込んで表示させることが可能です。
そのまま申し込みを受け付けることが出来る機能もあります。

Twitter

「ミニブログ」、または「つぶやきブログ」というツールの一つであるTwitter。
ブログやFacebookにはない、お手軽さが売りです。
それゆえに、発信できる文字数が140字に制限されており、他と比べて少なくなるため、ホームページへのURLやセミナー開催のお知らせなどの、一言でわかりやすい言葉を発信することが、利用方法としては効果的ではないかと思われます。

 

このようにインターネットを活用して、積極的にあなたの事務所が行っている情報の発信を行うことも、現代では有効な手法の一つだと言えるでしょう。

メールマガジン

メールマガジンは個人個人にダイレクトに情報を発信することが出来ます。
上記に紹介しましたブログ、Facebook、Twitterは、更新しても向こうから見に来てもらわなければなりません。

 

しかし、メールマガジンは発信することで、ダイレクトに購読者に情報が伝わります。
企業の情報を知り得たきっかけとして、メールマガジンがきっかけだったという人は実に9割近くにのぼるということです。
掲載する内容はお知らせでも、ちょっとしたコラムでも良いと思われますが、なによりメールマガジンを発信することにより、相手との接触頻度が高まり、信頼が生まれやすくなる効果もあります(「ザイオンス効果」と呼ばれる心理学での法則です)。
メールマガジンというものは、すでに10年以上前からある手法ですが、資金面でもそこまで多額な額を要求されないことからも、今でも十分に利用できる手法だと言えるのではないでしょうか。

ポスティング

チラシを作成し、ポスティングをする方法もあります。
これも情報を拡散するうえで有効な方法だと言えるでしょう。

 

しかし、ところかまわずポスティングをすればいいというわけではありません。
あなたが専門とすること、取り扱う内容が企業向けなら、企業の集まる地域にポスティングしなければいけませんし、逆に個人向けであれば、一般住宅の多い地域にポスティングするということです。
ポスティングであれば、配布先をより細かく絞り込むことが可能です。

 

そして何よりPCやスマートフォンを持っていない、インターネットを利用することが出来ない環境にいる方にもアプローチすることが出来るのはメリットだと言えるでしょう。
人はほぼ毎日と言っていいほど、ポストを確認します。
そして、中身の配布物を確認します。

 

つまり、一度はあなたの事務所のチラシが目に入るわけです。
チラシを見ていきなり行動するということはあなた自身の経験からもあまりないことだとは理解できるとは思いますが、存在や情報を全く知らない0の状態と、一度目にした1の状態であれば、将来的な見込みという点では大きな違いが出てきます。
あなたのチラシを見た方には関係のないことかもしれませんが、誰か別の方にあなたの事務所があるという情報を伝えるきっかけにもなり得るのです。

セミナーを開催する

5番目に紹介する方法は、何度も出てきましたが「セミナーを開催する」ことです。
お客様になり得そうな方(見込み客)がいきなり事務所に訪れるというのは、とても難しいことだと言えるようです。

 

しかし、その前段階としてセミナーを挟むことによって、現実に「士業者としての自分」を知ってもらう有効な方法と言えるでしょう。
参加した方というのは、まずあなた自身を、そしてあなたの事務所を認知し、興味を持っています。
ですが、それはあくまで「そういう事務所がある」というくらいものと言っていいでしょう。

 

では実際にあなたのセミナーに参加してみることでどうなるでしょうか。
それは、そこで実際に話をするあなたと、話を聞く参加者の中には必然的にコミュニケーションが生まれます。
人によっては質疑応答による1対1のコミュニケーションが生まれ、信頼につながることもあるでしょう。

 

例え、セミナーに参加した方が顧客になり得なくとも、その方が別の方に紹介してくれたり、付き添いで参加した方が顧客になるということも十分ありえるといっていいでしょう。
つまりセミナーの開催は「士業者としての自分」を宣伝し、信頼を深める場であり、その繋がりを構築する絶好の機会であると言えるのではないでしょうか。

 

そしてセミナー開催については上記のホームページやFacebook・Twitterで宣伝することもできますので積極的に活用するといいでしょう。

交流会に参加する

毎月なにかしらのビジネス交流会が全国各地で開催されています。
内容は同じ士業者の交流会から、異業種の交流会等様々です。
そのような交流会に参加することも効果的です。

 

しかしその場で仕事を紹介してもらえることは、ほぼないと思っていたほうが良いでしょう。
では一体交流会に参加することで何をするといいのでしょうか。

 

それは、自分は何者で、何が出来るのか、「あなたの顔」を売り込むのです。
つまり、あなたをきっかけにして事務所を売り込むことに繋がります。
例えその場で仕事が紹介されなくとも、将来的なきっかけにもなりえるのです。
またこれも、上記のセミナーと同様に、他の参加者の方が知り合いに紹介してくれるということも考えられると思いませんか?
さらに下記にありますが、他の士業の方との連携するきっかけにもつながるとも言えましょう。

業務提携(アライアンス)

業務提携とは、異なる士業と連携して業務を行うことです。
これは、異なる士業から、専門外のことについての紹介を受けるという形であり、その逆のケースもあるでしょう。

 

代表例として、「相続業務」を見ていくことにしましょう。
相続をするにあたって、相続税に関することは税理士、不動産等の名義変更や登記は司法書士、万が一のトラブルに対しての解決には弁護士といったように、この場合は3つの士業が携わります。
このような形が業務提携です。

 

上記のような協力関係を築くことによって、自分の専門分野の仕事が入ってきやすくなるということ、また短期間での売り上げが上がることも見込めるというメリットがあります。
また、顧客リストと呼ばれる「お客様の連絡先」を共有することによって、自分の顧客にはなっていない方への、セミナーの案内などの情報を発信することが可能になります。

また、この項目のはじめに「異なる士業」と書きましたが、士業だけでなく別の業種と業務提携をとることも可能です。
高齢者のお客様を獲得したければ介護施設と、法人のお客様であれば法人向けのサービスを行っている企業と、若い女性であればエステサロン、ネイルサロンなどがあります。
そこと業務提携することで顧客リストを共有できることになります。

 

しかし、業務提携したからといって片方にしかメリットがないようでは、その関係はいずれ破綻することは間違いありません。
業務提携を行う場合には参加している全員にメリットがなければ意味がないことは絶対に忘れないようにしてください。

最後に

ここでは7つのマーケティング手法をご紹介してきましたが、いかがでしたか?

 

「これをやっているから大丈夫」、「とりあえずこれをやってみよう」というような、1つ1つが独立したものではなく、1つの方法が別の方法とうまく繋がっているというのがお分かりいただけたかと思います。
これは何も士業に限っているわけではなく、他の業種にも共通して言えることだと思います。

 

そして何より、お客様への繋がり、「信頼」を築くということがマーケティングの根本にはあるとういうことを忘れないで行動を起こしていただければと思います。

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